実際のデータを使用した自動運転トラックの検証におけるTNOとTORC ROBOTICSの提携


オランダの研究機関であるNetherlands Organization for Applied Scientific Research(TNO)は本日、Daimler Truckの独立子会社であるTorc Roboticsとの戦略的提携を発表しました。両者は協力して、シナリオに基づいた安全性検証を行い、自動運転トラックの安全性を実証しています。TNOのStreetWiseは、実世界のシナリオデータベースに基づく安全性検証手法であり、「運転事象」の大規模なコレクションを提供します。この手法は、最新の安全要件に従って自動運転システムの性能をテストおよび検証できるように設計されています。

「Torcには、安全を最重視した自動運転アプリケーションのパイオニアとして17年の経験があり、私たちの技術は安全性を最優先に設計されています。私たちは、道路上で最も安全で経験豊富なドライバーの運転行動を手本としています。」と、エンジニアリング担当上級副社長兼Torc Europeの最高経営責任者であるAxel Gern氏は述べています。「StreetWiseの手法は安全性評価の基礎となっています。さらに、私たちには交通安全に関して共有している信念があるため、TNOは確実に私たちのニーズを理解し、この手法の導入と拡大の助けとなってくれるはずです。」

集合的交通シナリオ

この業界の安全性評価には、「ペガサスプロジェクト」で定義されている、パラメーター化された交通状況が使用されています。StreetWise手法の中核となるのは、パラメーター化されたすべての交通シナリオが格納されているデータベースです。これらのシナリオは、さまざまなデータ収集車両から収集された運転データから特定されています。パラメーター化された方法でシナリオをモデル化し、コンピューターが読み取り可能な形式にすることで、スマートなシミュレーション・ソフトウェアに必要な入力データと、自動運転の残留リスクを計算する手段が提供されます。TNOは、パートナー間で機密の運転データを交換することなく、この目的のためにデータを提供している特定の産業パートナー間で集合的なシナリオ・データベースを構築することも可能な手法を開発してきました。これにより、パートナーは、それぞれの地域で費用のかかるテストやデータ収集キャンペーンを独自に実施する必要なく、さまざまな都市、国、大陸に対応したシナリオカタログにスケールアップすることができます。

実行可能なエンド・ツー・エンドの安全性評価

TNOとTorcの提携には、Torcの車両運用へのTNOのStreetWiseソフトウェアの実装と拡大が含まれます。Torcは、このソフトウェアを使用して車両記録を毎日処理し、開発エンジニアが交通状況を把握できるようにします。「自律型輸送は、より効率的、持続可能、かつ安全な交通と輸送を目指すTNOの使命において重要な役割を果たしています。新たな安全上の課題に対処するには、業界内での法規制と標準化が必要です。Torcが私たちの手法を最初に実用化し、安全性検証の分野での採用と標準化に一歩近づけてくれたことを非常に嬉しく思います。」とTNOの安全性評価スペシャリストであるOlaf Op den Camp氏は述べています。

TORCについて

バージニア州ブラックスバーグに本社を置くTorc Roboticsは、トラック輸送の世界的リーダーでありパイオニアでもあるDaimler Truck AGの独立子会社です。自動運転車両革命が始まった2005年に設立されたTorcには、安全を最重視した自動運転アプリケーションのパイオニアとして17年の経験があります。Torcは、完全な自動運転車両ソフトウェアと統合ソリューションを提供しており、現在は、米国での長距離用途に対応した自動運転トラックの商品化に注力しています。Torcは、ニューメキシコ州アルバカーキでテスト施設を稼働させており、さらにテキサス州オースティンとドイツのシュトゥットガルトにもエンジニアリングオフィスを構えています。Torcの使命は、自動運転技術によって命を救うことです。これには、高速道路での死者数を減らすこと、医薬品や食品などの重要物資をあらゆるコミュニティーにタイムリーに届けられるようにすること、輸送業界の燃費、稼働時間、輸送能力の向上を支援することが含まれています。

TNOについて

オランダ応用科学研究機構Netherlands Organization for Applied Scientific Research(TNO)は、独立研究機関です。TNOは、人と知識を結びつけて、産業の持続可能な競争力と社会の幸福度を高めるためのイノベーションを生み出します。現在、そして未来においてです。これがTNOの使命であり、3,500人を超える研究者の日々の仕事の原動力となっているものです。TNOはパートナーと協力し、ステークホルダーとともに特定した9つの社会的テーマの変遷や変化を注視しています。TNOの交通・輸送部門は、クリーンで安全、信頼性が高く、手頃な価格の交通と物流を通じて、住みやすく持続可能な都市づくりに貢献することを目指しています。