食品成分の多角的な改善

品質低下やコスト増加をせずに、塩分、糖分や脂肪分を減らし、食物繊維を増やすなど、健康面での効果を上げる食品構成成分の改善は食品メーカーにとって大きな課題です。 TNOはユニークなアプローチで多分野にわたる食品開発をサポートしています。食品成分の知識と生産工程技術を組み合わせた総合食品物理学的な手法を用いて、最適な代替原料や生産工程を提案してきました。TNOの研究者が長年の経験で得てきた生産現場での知識も、メーカーが成分の改善を商業レベルで実現できるカギなのです。
健康によい原料成分は、食品業界の重要なトピックです。ところが、代替原料を使うことで食感、味覚や貯蔵寿命への悪影響も同時に生じることがあります。糖分と脂肪分を減少する一方で繊維を増加するなど、多角的な改善も時に望ましいですが、原材料の闇雲な改良は品質に逆効果が出るのみならず、コスト面でも負担が大きくなります。
 
TNOでは的確な製品改良を生み出す包括的なアプローチを用います。様々なモデルシステムを適用し、それぞれのソリューションを迅速かつ効率的に試験できます。またTNOでは候補として挙がる代替物の影響を算出する理論的、実証的なコンピュータモデルを駆使し、長年の経験とノウハウをもとに最良の実現可能なソリューションの商品化に向けてアドバイスをします。

事例1:キャラメル中の糖の代替

キャラメル中の糖の置換は、テクスチャや味、加工条件に影響を及ぼします。そのため、糖は単一の代替物に置き換えることができません。異なる分析ツールを利用し、TNOはキャラメル中の糖機能を解明しました。そして糖に関する独自のデータベースを基に、潜在的な代替物の組み合わせを発見しました。
 
キャラメルの品質パラメータの一つに流動性があります。小規模なモデル生産を用いて、TNOは大規模生産に応用できる品質を設計しました。物理分析と化学分析を組み合わせることで主な特性を決定し、それらの相互作用の構造要素を定量化できました。 流動特性を製品にかかる圧力と同程度の圧力下で設定し、光散乱をもとに光学顕微鏡を用いて構成要素を特定しました。データベースを用いることで、理想的な糖の代替物を選ぶ基礎が得られました。またモデル設計により、糖およびその代替物に最適な条件を適合する基準が得られたことも重要な結果です。

事例2:より健康なパン

TNOはパンの健康への効果を上げる欧州のコンソーシアムを主導しています。商業的に実現可能な製品を開発する目的で、パン業界のイノベーションをサポートします。
 
パンは炭水化物、タンパク質や食物繊維などのマクロ栄養素の摂取に貢献するのみならず、ビタミンB、ミネラルや他の生物活性化合物など、マイクロ栄養素に豊富な供給源です。全粒粉は特に生理活性物質が豊富に含まれていますが、これらは不均一に穀粒に分布し、そのほとんどが外側の層に集中しています。ところが最も体にいいと考えられるこの外側の層は、パンの原料となる精製粉から除去されています。消費者は容易に胚乳から生成できる、やわらかく薄い色のパンを好むからです。この不均一な分布とは別に、抗酸化物質などの生物活性化合物は消化できない食物繊維の細胞組織の内部に硬く入り込んでいます。これらの組織を切り開くことで、潜在的な健康への影響など、生物学的利用能を向上することができるのです。

事例3:食品素材の多角的改良

食品業界とのユニークな官民共同でTNOは生産前の消費者の反応を予測した知識経験をもとに、多角的なレシピの改良に向けた戦略に取り組み、プロセスを開発しています。このプロジェクトでは脂肪、塩分や糖分の削減だけでなく、官能特性や貯蔵寿命を損なうことなく、食物繊維やタンパク質を増加することを目標に取り組んでいます。